とても久し振りの投稿となってしまった。
雲隠れしていた間に何をしていたかというと、主に家を探していた。
「ベルリンで賃貸物件を探すのがいかに大変か」という記事はオンラインにごまんと溢れているし、一通りの情報は全てそこにあるので、ここでは割愛するが、見つかるまでは本当に辛かった……ということは備忘録として残しておきたい。
衣食住というのは人間が基本的な社会生活を営む上で不可欠な基盤なので、これが欠けると、あたかも自分のアイデンティティまで揺らぐような大きな不安を抱えることになる。賃貸サイトを通じてウン百通のメッセージを送っても、週末の朝一番に早起きして遠くの内覧会まで足を運んでも、なにひとついい結果が返ってこない日々は苦しい。お祈りメールがあればまだいい方で、基本的には無視される。そしてその沈黙という返事が、わたしの頭の中で、「おまえの生きる場所はここにはない」「ここから去れ」という意味をとるようになっていって、心は荒むし夜な夜な悪夢は見るし、もうだめだ、こりゃーおしまいだ、とばかり思っていた。こうやって文字にすると馬鹿馬鹿しく聞こえるが、当時のわたしは本当にノイローゼ一歩手前だった。
最終的に、なんとか物件を見つけることができて満足している……というよりは、ほっとしていると言ったほうが正しいかもしれない。「見つかって嬉しい」よりも、「もう探さなくていいのが嬉しい」の感情の方が強い。立地はかなり妥協した。それ以外については、それなりに満足。間取りが良い。バスタブもあるし、バルコニーもあるし、窓も大きい。今のベルリンの平均と比べると、まあまあお得な家賃。前の借主からいくつか家具を引き取らせてもらえる。強いて言えば、アルトバウではないのが少し残念。引っ越して新居に住み始めたら、細かいところが見えてきて、がっかりすることもあるかもしれないが、どうなることでしょう。